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パラリンピック×HIPHOP

What’s up!

最近は、noteに浮気ばかりしていましたが、久しぶりに日本のヒップホップについても書きまくりたいと思い、こちらでも更新します。

 

↓noteはこちら。

パラリンピック×J HIP HOP|けーすけ|note

 

https://youtu.be/bWWrtfOBAoU

 

こちらでは、もっとラッパーを深掘りしていきたいと思います。

 

目次

 

ベアトリーチェ・ビオ×Mummy-D

 

 イタリアのフェンシング代表のベアトリーチェ・ビオ。イタリアでは、熱狂的な人気のあるインスタ70万人フォロワー越えの人気実力共にトップアスリート。愛称は、「ベベ・ビオ」。情熱よりも熱い魂を持っている、パラスポーツ界のみならず、スポーツ界全体に影響を与える人物、などなど様々なポジティブな記事も多くあります。

 

 ラップしたのは、日本のヒップホップの生きる伝説、Mummy-D(まみーでぃー)早稲田大学時代のサークル仲間とRhymester(ライムスター)を結成、MCとして90年代から今でも現役で活躍し続ける日本を代表するラッパーの1人です。ちなみに、この大学時代のサークルの後輩にはゴスペラーズもいます。ヒップホップシーンのみならず、スガシカオなど著名なJ-POPシーンの人ともコラボしており、個人的には、日本を代表するラッパーを聞かれたら、必ず挙げる1人です。


失われた腕伸ばして突く
この世界の不条理


「ただのgood girlじゃないの」と、
突っぱねる薄いありがちなストーリー


今やハンディキャップあるフェンサー超えて
未来のインフルエンサー


 このバースだけでも、ベベがどのようなハンディキャップを持っていて、どんな性格をしているか分かりますよね。

 

 そして、Mummy-Dの癖である、単語の羅列(偏見や憐憫や安直な感動)や同じ単語の繰り返し(今日も前に前にひたすら前に向かう)も健在。

 

 何よりもビートアプローチがすごい。ビートに上手く乗せられずにぎこちなく聞こえるラッパーもいる中で、Mummy-Dは30年近く前から比較的スムーズに乗りこなしています。「愛称」の部分は語尾を少し伸ばして置いていき、「騎士(ナイト)」ではスパッと切って韻を踏みつつ、「プライド」では最初の方を少し伸ばしており、発音だけでラップに抑揚をつけていますね。

 

 様々なアーティストからアプローチされる理由が分かります。

 

パトリック・アンダーソン×Awich

 

 カナダのバスケ代表のパトリック・アンダーソン。4度のパラリンピック出場で、金メダル3個を獲得したパラバスケ界のマイケル・ジョーダン。出場しなかったリオ大会では、カナダは11位。母国を救うべく現役復帰したという愛国心溢れるスーパープレーヤー。あんな激しいパラバスケに4度も出場して、3個も金メダルって凄すぎますね。今回の東京大会での復活もどのようなものか目が離せません。

 

 ラップしたのは、Awich(エーウィッチ)。沖縄出身でアメリカに渡米後に学士号を取得し、結婚。家族と日本に戻ろうとした矢先に、夫が銃殺されてしまいます。Awichは娘と共に日本と戻り、日本で再び音楽活動を始めました。今、日本を代表するフィメールラッパーとして話題沸騰中です。流暢な英語と低めの声が織り成すフロウが最高です。日本一かっこいいシングルマザーではないでしょうか。

 

その君の、両手両足使って、
付いてこれんのこのペース?


俺に足枷など掛けられない
見てのとおりな


 両足欠損しているから足枷など掛けられないし、五体満足でもパトリック・アンダーソンには付いていけない、というハンディキャップを物ともしない王者の貫禄を表現しているバースですね、カッコよすぎる。

 

 個人的には、バイリンガルラッパーで耳障りがいいのは、最近ではAKLOとAwichくらいですね。

 

 Awichも韻を踏むときに少し力を込めていますが、わざとらしくないし耳に残ります。歌詞でカタカナ表記されている部分もバリバリの英語発音でカッコいいところが好きです。

 

 このメンツで一番キャリア浅いのにも関わらず、Mummy-DZORNに並んでも劣っていないのがスゴすぎる。普通だったら絶対に食われているはずなのに、他の2人とは違ったバイリンガルラップで光り輝いています。

 

 一昔前、S7ICK CHICKsがこのままソロで各々シーンを賑わすのかな、フィメールラッパーが再び台頭してくるのかな、と思っていましたが、その後に高ラとかの流れで中高生や若者に人気爆発のちゃんみなが出てきたり、フィメールラッパーの移り変わりも激しい中、Awichはコンスタントに作品を出し続けて様々なラッパーと共作しており、今後も目が離せないですね。

 

 「LOVE  ME  UP」ではバリバリ大麻についてラップしており、PVでも小ネタをふんだんに使っていて、意味が分からなければChaki ZuluのチルなトラックにAwichのラップが心地良いチリングソングですが、意味が分かる人にはトラックの緩さとリリックの面白さにニヤケが止まらないこと間違い無し。


国枝慎吾×ZORN

 


 日本のパラテニス代表の国枝慎吾。男子歴代最多優勝記録を保持している日本のみならず世界を代表するプレーヤーです。年間優勝回数も8回を記録している実力。2006〜2020の15年間で、2006、2012、2016、2017の4年間以外では、グランドスラムの4大会中1大会以上で優勝しているという圧倒的な強さ。

 

 ラップしたのは、ZORN(ぞーん)。つい最近、日本武道館での単独ライブも達成したラッパー。新小岩出身で、ガチガチに固すぎる韻と等身大のラップが特徴。「洗濯物干すのもヒップホップ」という1バースは有名ですが、ZORN THE DARKNESS時代の“奮エテ眠レ”から既に最高です。般若からのアドバイスで、足し算ではなく引き算でリリックを作ったことによって、それ以降からはバースいっぱいに言葉を詰めこみまくるのではなく、洗練された言葉を確実に落とし込むスタイルになっております。近年では、KREVA、MACCHO、などのレジェンド達と並んでも負けない程です。現在の日本のヒップホップの最高到達点の1人ではないでしょうか。

 

日本から世界獲った 連覇し凌駕
変化し強化 限界突破
世代交代 先輩後輩
関係ねえのが絶対王者


SHINGO KUNIEDA
見てろ 金を首へ巻く


 韻を踏みすぎているだけでなく、意味もしっかりと通っています。ゴリゴリの畳み掛ける韻にお腹いっぱいになります。そして、「SHINGO KUNIEDA」と「見てろ 金を首へ巻く」の部分は、言葉を少なくして耳に残りやすくなっていますよね。こういう落とし方がZORNの良さ全開で好きです。

 

 「韻の飛距離」を大事にしているZORNですが、今回は控えめでしたね。

 

 ただ、韻が固すぎる。Mummy-DやAwichもライミングスキルありますが、ZORNに比べると敵いませんね。まあ、前者2人はフロウが最高なので韻に拘って聞くタイプではないですが。

 

 ここまで固いのに意味をしっかりと通しているのにも脱帽です。

 

 ZORNってKREVAとかMACCHO、般若、NORIKIYOとかと共演してるしニューレジェンドだと思ってます。

 

 娘さんのためにもせっせとCD買いますね。

 

ラストバース

 

越えられる 越えられる

我らは越えられる

越えられる 越えられる

必ず越えられる

 

変えられる 変えられる

未来は変えられる

と決めて走り出した君を

誰が止められる

 

 3人のパートが終わってラストはサビのようなバース。これ絶対にMummy-Dが書いたでしょ、って思わせるフレーズ。

 

 同じ単語の繰り返し、そして、若干違う単語を続けて使う、最後に1フレーズでバシッと決める。

 

 Dさんの良さが滲み出ている。溢れかえっている。曲も最後にパッと終わるのがいい。下手にアウトロで余韻残そうとしないのが粋。

 


最後に

 

 いかがでしょうか。こうやって1人のアーティストにフォーカスしてラップするとお互いの良さが光り輝く気がします。パラリンピックは、オリンピックよりも話題にされない事が多いですが、こういう形でアスリートを知れば競技を見るキッカケになりますよね。オリンピックの開閉会式よりも、この一曲の方が魅力的だと感じました。

 

 ここ数年、再び日本のヒップホップシーンがオーバーグランドへと伸びつつあります。それと同時に、少しずつ認知されるのは嬉しいことですが、日本のヒップホップも負の面が多いので、誤解されることも多いのが辛いです。

 

 最近でも、舐達磨のメンバーの逮捕、KENNY-Gの逮捕、で悪い形で日本のヒップホップがトレンドに上がりました。大麻はダメだし反社の人間がラップしているのも今の日本では受容されないのは当たり前ですが、それを日本のヒップホップに一括りされるのも違うと思ってます。まあ、DOTAMAのように警察の撲滅キャンペーンに乗っかって大炎上するのも違う気がしますが。

 

 また、気が向いたら不定期的に更新します。アクセス解析を見ていると、リリックの名言集とラップ解説系の閲覧数が堅調なので、そっち関係で何か書きますね。