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『天才はあきらめた/山里亮太著』感想 ここから凡人が学ぶべきこと

 

お久しぶりです。

書くネタもなかったので、本の感想でも。

 

南海キャンディーズの山ちゃんといえば、2004のM-1グランプリのファイナリストとしてブレイクしてから相方のしずちゃんと数多くの番組に出演し、現在ではラジオ等でも幅広く活躍している芸人さんですね。個人的には、いじられキャラだけではなく腹の内に渦巻く闇と豊富なボキャブラリーを武器にしたトーク力が大好きです。

 

この本はそんな一見すると輝かしいだけかと思うような山ちゃんのコンビ不仲時期をはじめとした自分の失敗や弱いところを包み隠さずに曝け出しております。

 

この本から凡人の学ぶべき事はあるのか。答えはYes!

今回は少しだけピックアップしていきたいと思います。

 

”夢””目標”は甘美なものでなくていい。スタートラインに立つ事が大切。

山ちゃんが芸人を目指したきっかけも「モテたい」というシンプルなものでした。「何者かになりたい」という最初の目標は忘れないけれども「モテたい」というもっとシンプルで見えやすい目標を見据える事で自分に対してガソリンを注入していきました。モテるための選択肢として”芸人”の道を選んだだけだったんですね。

 

”芸人”や”会社を立ち上げる”等の夢や目標は周りからも一目置かれますが、別にそんな大きな事だけではなくていいのではないかと言ってくれている気がします。

 

だから、皆さんも「夢が無い...」とか「目標が見つからない...」と落胆する必要はありません。もっとモテたい、もっと人気者になりたい、一見すると不純な動機かと思われるかもしれませんが、それも立派な夢であり目標です!まずはスタートラインに立つ事が大切です。

 

②自信を貯金する/張りぼての自信

山ちゃんは芸人を目指す上で「芸人になるための自信」というものを小さな出来事から少しずつ積立貯金をしていきました。この本では積み立ててできた一定額を”張りぼての自信”と紹介をしています。この”張りぼての自信”というものがまず大切な事なんです。

 

皆さんも何かを目指そうと動き始めた時に様々な壁が出てくるかと思います。その様々な壁にどうぶつかっていくか。そこで大切なのがこの自信貯金です。例えば、「こんな自分が画家を目指すなんて...やっぱり無理だな...」って思った時に、この貯金を切り崩していけばいいのです。「でも、あの時にみんなに絵を褒められたから!」「これだけ頑張っているんだからきっと大丈夫!」と今までの積み立ててきた貯金を少しずつ出していって奮起すればいいのです。

 

日常生活の中での些細な成功体験もいいので、きちんと自信銀行自分支店に預けておきましょう。それが未来の自分に必ず役に立ちます。

 

②常に自分を確認する/立ち位置を見誤らない/退路を断つ

”天才はあきらめた”と本のタイトルにできるくらいに山ちゃんは謙虚です。むしろ卑屈と言ってもいいくらいに自分の立ち位置を見ています。しかし、たまに”天狗の山里”が出てきては色々と失敗をしているのが山ちゃんも人間なんだなあ・・・と思わせてくれます。その失敗についてはこの本を読んでいただければと、ここで話すよりも山ちゃんの言葉で読んだ方が面白いです。

 

さて、少し脱線しましたが②について。山ちゃんは自分が天才ではないと自覚しており、だからこそ努力を怠る事をやめませんでした。どうすれば自分は天才と同じ場所に立てるのかを常に考え続けておりました。”芸人としてどうすれば売れるのか?”を徹底的に考えて考えて考え続けていました。挫折しそうな時は、自分より売れている同期の活躍を見たり、今まで自分をないがしろにしてきた人を見返してやる、という努力するための燃料を自分で注入していき、ガソリン満タンにしてからまた走り出していきます。そして、弱い自分も知っているからこそ逃げ道を自分で塞いで頑張るしかない環境を作っていきました。

 

「こんなに頑張っても上手くいかないなあ...」「サボりたいなあ...」皆さんも勉強や仕事などでこんな体験をした事ありませんか?ここで楽な逃げ道は”自分よりも下の何かを探して自分を肯定する”ことによって努力を怠る自分を正当化する方法や”やっぱり才能無いから...”と自分を下に見て安心させる方法があるかと思います。しかし、自分で努力できるようにするためには下ではなく上を見続ける事です。そこで大切なのが①です。

 

例えば、「モテたい」と思って努力している時になかなかモテない。そんな時に「Aよりはモテているからいいや」「どうせ自分なんてダメだし」ではなく「どうしてBはモテているのだろうか、自分には何が足りないのだろうか」と自分の目標である「モテたい」のためにきちんと自分の今の立ち位置を再確認して、ここから先の道のりをきちんと見定めていくことが大切です。

 

一時期に爆発的な人気を博したライザップもこれと同じ事ですよね。「やせたい!」という目標を作って、事前に大金を払って頑張らないといけない環境を自分で作っていく、そして経過測定等できちんと定期的に今の自分を再確認する。理に適っていますね。

 

今の自分ときちんと向き合いましょう。目標と今の自分との距離を常に確認し、目標へ近づくために何をすればいいかを考えましょう。

 

③燃料がないと車は走らない

②でも少し書きましたが、山ちゃんは努力を怠る事をしません。”天才はあきらめた”という本書のタイトルなのであえて天才という言葉を使わずに言いますと山ちゃんは自分が努力するための燃料を自分できちんと見つけている。という点が誰よりも強いのかなと思います。その燃料が「モテたい」と「いつか復讐してやる」という正と負の二つです。こうして書いていると性悪でマネをするのが憚られるかと思いますが、このシンプルで分かりやすいほうが燃料としては最適ですね。

 

皆さんも「いつかあの人とお付き合いしたい!」と思ったり、学校の先生や会社の上司や先輩からバカにされた時に「いつか見返してやる!今に見てろ!」と思ったりすることがあるかと思います。大切なのはその気持ちを燃料にして走り続けていくことです。②を忘れずに心折れる事なく走れるための燃料を注入していきましょう。

 

燃料がないと走ることはできない。自分のための燃料を注入する事を忘れないように。

 

④人との出会いを大切にする

山ちゃんは本の中で”人に恵まれている才能がある”と何気無しに書いてます。いや、何気無しとは失礼ですが他のエピソードや学びがインパクトあるために少し霞んでみえています。しかし、この本の中で個人的に一番響いたのはここでした。自分も常日頃から”周りの人に恵まれている”と思っていたからでした。山ちゃんが素敵なのはその才能を自覚しつつ無自覚なところです。

 

自分ベースで書かせてもらいますね。例えば、仕事。上手くいかない事があったり解決策が見つからなくて悩んでいる時に、自分のためにアドバイスをくれる人もいれば責めてくる人もいます。こんな時に皆さんはどうしますか?優しい人は心ない言葉で深く傷ついてますます負のスパイラルに入ってしまうかもしれません。しかし、自分は前者しか気にしません。後者のことも気にしつつきちんと傾聴するのは前者の人だけです。そして、結果が出た時には”アドバイスをくれた人へのありがとう””冷たい言葉くれた人への「どうだ!見たか!」”の二つの感情が残ります。これは③の正の燃料と負の燃料とも繋がりますね。しかし、ここで負の燃料の結果を見てしまうと自分が情けなくなり惨めな気持ちになってしまいます。だからこそ、正の燃料の結果だけを見るのです。

 

出てきた結果については、①の自信銀行自分支店の口座に振り込んでおいて積立を増やしておいて、ここで自分に傲る事なく②をしっかりと忘れずに、きちんと周りへの感謝を忘れないようにする。

 

これを繰り返すと、自分は才能も何もないけれど周りの人に恵まれているおかげで頑張る事ができているしもっと頑張れる、という正のスパイラルに入ることができます。そして、周りへの感謝の気持ちも忘れないからこそ更に良い出会いに恵まれていきます。いや、ここまで書いたから分かるかと思いますが更に良い出会いができたと思える自分が出来上がっています。

 

何が言いたいかといいますと、良い出会いかどうかを決めるのも結局は自分次第でしかないという事です。自分に優しい人との出会いが良い出会いかもしれませんし、自分に冷たい人との出会いが自分にとっての良い出会いかもしれません。それは自分が決める事であって、いつまでも良い出会いを待つのではなく良い出会いだったかを考えてみてはいかがでしょうか。

 

良い出会いは待つのではなく、自分で決めるもの。そして、その出会いに感謝を忘れないこと。

 

⑤謝ることも大切

山ちゃんはこの本の中で自分の失敗談や醜い部分も全て洗いざらい書き綴っています。そして、そのせいで迷惑を掛けて傷つけたみんなへ謝っています。ここが山ちゃんのすごいところだと思いました。人というのは、年を取れば取るほど自分が悪いと思ってもなかなか謝ることができなくなっていきます。しかし、山ちゃんは自分が悪かったところを素直に認めて”ごめん”と言っています。しっかりと自分を再確認して自分の悪いところとも向き合ったからこそ出来た事だと思いました。

 

しっかりと②の自分の再確認の時に、悪かったと思ったところも認めて謝るということも大切ですね。そこで初めてきちんと自分を再確認できて前に進めたということになるのでしょう。

 

自分を振り返り、悪いと思ったところは反省する。

 

⑥最後に

この本を読むとどうして”天才 山里”が生まれたのかが分かります。”山ちゃんは天才だ”とここで言うのは悔しいので言いたくありません(笑)万が一、億が一、この記事を山ちゃんが見たとしても彼は”自分銀行・山里支店”にせっせと貯金するだけで傲る事なく努力を怠らずに頑張り続けると分かっているからです。そして、何かスランプに陥った時にこの記事も切り崩して頑張っていくのだと思います。

 

”お笑いの天才”や”努力の天才”と言ってしまえば、自分なんか天才はないし絶対に無理だろうなあ...と思うかもしれません。しかし、天才と言われている人も同じ人間です。大切なのは、夢や目標はどうやって見つけるのかどうやって頑張っていけばいいのか、というシンプルなものです。それを無意識に自然体でやっていけるのが所謂”天才”と呼ばれる人たちだと思いました。では、才能が無い我々のような凡人はどうすれば天才と同じ景色を見る事ができるのか、そのヒントがこの本に散りばめられています。謙虚すぎる山ちゃんだからこそ、ここまでシンプルに誰でもマネできるような思考法にまで落とし込んで書き綴ってくれているのかなと思います。

 

この本にはここで紹介しきれなかったエピソードや学ぶべきことが沢山あります。漫才の構成のように読み手もどんどん読みたくなるようなワクワクする本です。さすが天才(笑)オードリー若林さんのあとがきも非常に面白く、次は「社会人大学人見知り学部 卒業見込」を手に取りたくなりました。

 

最後に一言、自分も天才はあきらめました。