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ちょっとオシャレに日本語ラップを

はい!

映画ネタ書いてたので、久しぶりに日本のヒップホップネタを書きたいと思います。

 

今回のテーマは、「J-POPリスナーのプレイリストに入っていても違和感無く聞けるはず!な日本のヒップホップの曲」を少しだけ紹介していきたいと思います。

 

DJみそしるとMCごはんぼくのりりっくのぼうよみ、などなど新たなステージへとヒップホップを導いている若手層、昔からのスタイルを貫き通すベテラン勢、MCバトルやフリースタイルを中心に台頭してきた中堅から若手の実力派、群雄割拠するこの戦国時代ですが、今回は比較的ヒップホップを聞かないような層も聞いても良いと思えるようなヒップホップやラッパーの曲を紹介していきたいと思います。

 

神奈川県横浜市出身の1998年生まれの18歳。若い...。

しかし、その年齢とは思えない音楽センスが輝いています!

AK-69やKREVAなどは、HOOK(サビ)ではラップではなく歌唱力を活かしてヴォーカリストとしても才能を発揮していましたが、ぼくのりりっくのぼうよみはラップもトラックに合わせている近年増えてきたラップスタイル且つヴォーカルもできるという逸材、今までのヒップホップのようにトラックとラップがお互いの個をバチバチぶつけ合って作られていく曲も良いですが、このような曲もトラックとラップが融合されて一つの作品として心地良く聞けます。

 

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tofubeatsが大学在学中に友達とカラオケボックスで作ったという一曲。これまで様々なアーティストにカバーやREMIXされてきました。水谷せいらを迎えてのREMIXは人気があり、今までも多くのライブでファンを沸かせてきました。REMIXも良い作品もあるので是非とも色々と聞いてみてください。 

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youtu.be

 

 

KREVAのソロデビュー曲!

ここから始まったKREVAの快進撃、KICK THE CAN CREW時代のリスナーのみならず徐々にファンを増やし続けていったKREVAはファーストアルバムからPOPで明るいイメージの曲が多く、それが今日のKREVA王国を築いたとも言えますね。「イッサイガッサイ」や「くればいいのに...feat.草野マサムネfromスピッツ」などなど、時間があればそちらも是非チェックしてください!

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RHYMESTERMummy-DSUPER BUTTER DOGの元ギタリストの竹内明康のユニット。MUROとDABOを迎え入れた「廻し蹴り」(この曲はBig Daddy Kaneの「Set It Off」も聴いてみてください!)、Mummy-Dの遊び心満載の「ワルダクミ」、KREVAと組んだ「ファンキーグラマラスPart1&2」、様々な可能性を見出してくれたマボロシですが、「記念日」は付き合っている男女の仲を描いた作品、こんな記念日を過ごせるようになりたいものですね。

 

youtu.be

 

ココロオドル」や「Hero’s Come Back」などアッパーで盛り上がる曲も多いnobody knows+ですが、このようにバラード調でしっとりとした曲もあるんです。ウルトラマンのエンディングに起用されたのでMVでは面白いストーリーになっています。

youtu.be

 

  • DJ PMX「My Beauty Queen

DJ PMXほどオシャレで聞きやすいトラックを作れる人は未だに日本にいないのではないだろうか...と思わせるほどに完成度の高いトラックを数多く作ってきた未だに現役の業界のトップランカー。この曲もラップ部分はイマイチというか日本のウェッサイシーンはこんなものかと思ってしまいます。しかし、HOOKはJAY’EDで固めておりR&Bの雰囲気も十分に漂わせているのが救いでしょうか。

youtu.be

 

こちらもDJ PMXの曲です。

RamのHOOKが爽やかで素敵です。

gyao.yahoo.co.jp

 

  • S.L.A.C.K.「Hot Cake」

 

PSGの脱力感といいますか肩の力を抜いてもいいんだよというようなものをしっかりと残している一曲。ゆっくりしたいときに聞きたい一曲。

 

youtu.be

 

 

  • EVIS BEATS「ゆれる feat.田我流」

 

このブログでも何回か取り上げた一曲。

説明不要ですね。ただただ聞いてください。

youtu.be

 

”いい時間”を過ごしたいあなたへ

youtu.be

 

  • 般若「心配すんな」

 

般若といえば、Disや攻撃的な曲も多いですが、この曲や「世界が終わるその前に」では、真っ直ぐに突き刺さるリリックを書いています。この曲も大ファンである長渕剛の「心配しないで」をサンプリングした一曲で、原曲は彼女へ綴ったしっとりとしたバラードでしたが般若は友人へ綴ったリリックで原曲のイメージと乖離しすぎない程度に完成させています。長渕剛へのリスペクトが滲み出ています。

youtu.be

 

 

 

夜に流したい一曲。B.Lのトラックの安定さに脱帽です。

youtu.be

 

 

ということで、ほんの一部ですが以上になります。

皆さんにとってお気に入りの一曲は見つかりましたか?どんどんリンクから飛んでみて新しい曲を探してみてくださいね。食わず嫌いはよくないですからね。

 

『風立ちぬ』で何故泣けたのか?

今週のお題「映画の夏」

 

ということで、どうしても自分で紹介したい映画があったので今回は立て続けに映画ネタを投稿しました。

 

今回取り上げる作品は『風立ちぬ

 

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※ネタバレ有


この映画は人生で初めて映画館で泣きました。
宮崎駿の有終の美を飾るのには相応しい作品でした。

ああ、この映画で引退で良かったな~と感じています。


なんで泣くことができたのかというと、純粋すぎる主人公への「共感」と「憧れ」で泣いたんだと思います。

 

①自分の好きなことはとことん追求する姿勢

②悩んだ時に背中を押してくれる存在

③それを一番近くで支えてくれる良き理解者であり最愛の人

④しかし、《最愛の人<自分のやりたいこと》

 

つまり、二郎の飛行機への情熱、夢に出てくるカプローニの言葉、ジブリ史上最も美しい女性の菜穂子さん(当社調べ)、これらに対する「共感」と「憧れ」の結果が涙として出てきたのだと思いました。

 

皆さんも自分の周りでこの映画を観た人の感想を聞いたことはあると思いますが、この映画を観た人の感想は「めちゃくちゃ感動した。」という人と「よく分からなかった。」という意見にキッパリと分かれている気がします。

 

もちろん僕は前者。

そして、前者の人へ一言。

 

この映画の主人公に共感するなら今すぐ生まれ変われ!

 

僕は当時お付き合いしていた人とこの映画を観に行きましたが、菜穂子さんの健気な姿勢がスクリーンいっぱいに映し出されると彼女と手を取り合って大号泣しました。自分勝手な二郎と自分、献身的な菜穂子と彼女、見事にお互いのことまでも共感しました、そして泣きました。まるで、自分をスクリーン越しに客観的に見ている気分でした。

 

そして、彼女は菜穂子さんの献身的な姿勢に自分を重ねたらしいです。うん、本当にそうだと思う。今思えば二郎以上に自分勝手でした。

 

そう、この映画は「最愛の人すらも振り回すくらい自分勝手な人間」しか共感できない映画なんです。宮崎駿が“自分が手がけた映画で唯一泣いた”と言っていましたが、そういうことですね(笑)

 

先ほど挙げた4つに「共感or憧れ」あるなら要注意!

ちょっとは自分を変えたほうがいいかも(笑)

 

①自分の好きなことはとことん追求する姿勢

主人公の二郎は、夢で会ったカプロー二に背中を押されて飛行機を設計することを志す。そして、二郎が失敗したり行き詰まったりするたびにカプローニが夢に出てきては背中を押す。そう、しかし全部が夢の中の出来事。夢の中なので、自分にとって都合良い夢を見ることもできるんですよね。失敗続きだった時に避暑地で菜穂子さんと出会い猛アプローチをして婚約、したにも関わらず飛行機の設計で忙しい時には、結核を患っている菜穂子さんに対して素っ気ない、なんという自分勝手。

 

でも、自分自身を振り返るとそんなことばかりなんですよねー。自分が夢中になって何かをやっている時は相手に対して素っ気ない返事だったりLINEやメールもスルーだったり...。うーん、反省。

 

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②悩んだ時に背中を押してくれる存在

先ほどと書いたことが重複してしまいますが、カプローニのことです。上の文章に言葉が足らないですね。“悩んだ時に(都合よく)背中を押してくれる存在”ですね。

 

カプローニの名言

「飛行機は美しい夢だ。設計家は夢に形を与えるのだ。」

「まだ風は吹いているか、日本の少年よ。では生きねばならん」

 

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皆さんの周りにもカプローニみたいな存在の人がいるのではないでしょうか?また、カプローニみたいな存在が欲しくてたまらない人もいるのではないでしょうか?

 

でも、今思えば、カプローニのように自分の背中を押してくれる人だけではなくて、しっかりと自分を引き留めてくれるような存在も必要なんですよね。そういう存在も大切にしていますか?

 

③それを一番近くで支えてくれる良き理解者であり最愛の人

ジブリ史上最高のヒロインである菜穂子さん(当社調べ)。軽井沢で療養中に二郎から猛アプローチをされて婚約。結核が悪化して人里離れた病院へ入院するも二郎と一緒にいたいがために病院を抜け出し二郎の元へ。しかし、そんな容体で来た菜穂子がいるにも関わらず仕事に夢中で自分に構ってくれない二郎へ文句も言わず優しく微笑みながら見守っている姿勢は涙無くしては観れません。

 

こういう献身的なパートナーっていますよね。そして、その献身さに甘えて自分のことを優先しがちなのが僕みたいな人間です。うん、猛省しています。この映画は自分勝手さというものを痛いほど見せつけられます。

 

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④しかし、《最愛の人<自分のやりたいこと》

問題はここです。結核の菜穂子さんが人里離れた病院に入院したにも関わらずに見舞いにも行かない、そんな菜穂子さん自ら赴いて来たにも関わらず仕事で連日連夜遅くに家に帰る、そして結核の菜穂子さんがいるにも関わらずタバコを吸って家でも仕事を続ける、二郎は仕事に夢中になると周りが見えなくなるタイプですな(100歩譲って優しい言い方にしました)。

 

いやいや、普通だったら菜穂子さんをもっと大切にするでしょ!と言いたいところですが、皆さんも心当たり無いですか?大切な人をないがしろにした経験。これは書き方がぶっ飛んでいるだけで、もしかしたら気づかないうちに皆さんも大切な人を大切にしていないかもしれませんよ。少しばかり今までの自分を振り返ってみませんか?

 

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おまけ

 

ネットに乗っていた意見と僕の意見を交えながら書いてみますね。

「この映画は難しい。」

たしかに。この映画は本当に難しい、一回では消化しきれない、それは宮崎駿の思いがこの映画に凝縮されているから。


「戦争描写から避けている。」

いやいや。この映画は美しい飛行機を設計する二郎を描いているんですよ。作中にも飛行機を設計することは悪くないと描かれていますよ。だから、戦争描写をあれ以上書くことは無意味で滑稽ですよ。

「二郎が菜穂子さんへの態度が冷たすぎる。」

いやいや、二郎は飛行機にしか興味が無い今でいう理系オタクに近い人物です、それが菜穂子さんにだけは美しいという言葉を使ったんです。それに、二郎の冷たさというよりは菜穂子の愛する人を美しく健気で一途に想う気持ちを書いているのではないでしょうか。それに菜穂子さんのような人の存在への憧れを宮崎駿は描いたんだと思います。

 

ジブリというものは女性の描き方が美しすぎる。その中でも今回の菜穂子は本当に美しすぎる。僕は一番大好きなキャラになりました。それは前述にもあるように「憧れ」を描いた映画だから。完璧な女性を見事に描いてくれた宮崎駿に頭が上がりません。

純粋に夢を追いかけ続けたい。困った時には背中を押してくれる偉大な存在が欲しい。美しく良き理解者であり自分を愛し続けてくれるパートナーに巡り逢いたい。男のロマン描いた映画ですね。

 

しかし、これを求めすぎると大切な人を失うのであしからず。


映画『シン・ゴジラ』観に行ってきました!

 

今回は、映画ネタ。

シン・ゴジラ』観に行ってきました!

 

シン?真?新?信?神?

 

監督がエヴァシリーズで有名な庵野さんということで、エヴァシリーズ観たことないんですけど、どんな映画になるのかとても気になっていました。

 

ゴジラシリーズっていうのは、監督によってどこに力を入れるのかが変わってくるなあというのが何となく心の中にあったので、SFアニメを手がける庵野さんはどのような切り口でゴジラを描くのかがとても気になっていました。

 

ここからは観た感想になります。

ちょいちょいネタバレしちゃいます。

 

一言でいうと、「あっぱれ」な映画でした!

 

今回の作品は、今までのゴジラシリーズとは一線を画すというのがコンセプトにあるにも関わらず、細かい設定やゴジラシリーズの根底にあるメッセージを取り入れているんです。

 

例えば、ゴジラが登場しても“巨大不明生物”としか表現されないんですが、後々に“ゴジラ”と名付けられる経緯が初代ゴジラの設定と同じなんですよね。詳しく書くと映画見る楽しみが半減するので書きませんけど!

 

あと、1954年に発表された「ゴジラ」っていうのは人間による環境破壊によってゴジラが誕生した設定だったり、1984年以降のゴジラ作品では“水爆実験によって突然変異した生物”という設定でした。つまり、ゴジラが誕生した理由には人間の環境破壊等の影響があるというのを必ず取り込んでいる、いわばゴジラという怪獣を通した社会風刺映画ともいえるのが魅力的だと思います。

 

さて、では今回のシン・ゴジラは人々をどのように描いたのか?

 

・政府

核兵器

・復興

 

主にこの3つが大事なキーワードではないかと。

 

・政府

ゴジラが出現してからの政府の対応の遅いこと遅いこと。さすが日本人。上からの許可がないと何も出来ない。そして、肝心の上の者の判断が遅い。今回も3.11の時の菅直人首相を思い出すような何とも滑稽でお粗末な動き。そして、アメリカに好き勝手言われたい放題な感じも皮肉られていますなあ。

 

核兵器

ゴジラシリーズといえば、ゴジラの誕生の陰に水爆実験がいつしか定番になってきました。そして、今回はどのようにそれを取り込んでいるのかなあと思っていたら、ゴジラへの攻撃として“核兵器を使用する”という選択肢を入れてきました。うーん、これは深い。東京もとい日本で核兵器を使用する。そして、この選択肢を取らないために日本では主人公たちが奔走する、しかし、世界の国々はそんなのお構いなし、所詮は遠い極東の島国の出来事といわんばかりの態度、ここでも上手く風刺されていると思いました。そして、ここで広島の原爆についても少し触れるんですよ。石原さとみが演じた役が日系三世ということで祖母が広島で被爆したことを交えながら、自分も核兵器の使用を反対という立場を取ります。なるほど、今回のゴジラでの核問題はこういう風に絡めたのか、とただただ感心しました。

 

・復興

今回のシン・ゴジラでは、復興というところも今までのゴジラシリーズよりも描かれていた印象だったのでここに少し書きます。今までのゴジラシリーズっていうのは、ゴジラと人間の戦いの決着がラストで描かれてそのまま決着が着いたらエンディングでした。香港時代のジャッキーチェン主演のカンフー映画みたいにラスボス倒したら即エンディングみたいなあっさりとした印象でした。いや、正確にいうと今までもたしかに余韻を残すようなシーンをエンディング前に入れていました。しかし、今回のシン・ゴジラはその余韻までもが上手い風刺でした。ゴジラによって破壊されて都市機能を完全に失った東京をこれから復興していかなければならない、しかし、日本人は何度でも立ち上がったから大丈夫、また一つ乗り越えて成長した、etc、まるで3.11から復興した日本や日本人を“3.11=ゴジラ”に置き換えて伝えているのではないでしょうか?ゴジラ地震も天災ですからね。いつやってくるか分からないし(ゴジラは人類によって生まれた設定なので人災かも笑)

 

とまあ、色々と拙い文章で書きましたが、庵野監督すごいです。

 

この映画は本当に色々な人に見てほしいです。

 

そして、歴代シリーズも鑑賞して色々と語りたいですね。

 

ゴジラvs」シリーズも悪くはないですが、やっぱり個人的には初期ゴジラや今回のシン・ゴジラが好きですね。

 

シン・ゴジラ

シリーズ化するとは到底思えないので、劇場の迫力満点のスクリーンで是非!

 

 

最高のモノを作るために

 

今日は常日頃から感じていることを、日本のヒップホップシーンで有名な一曲と個人的に大好きな一曲と共に説明していきます。

 

最高のモノを作るために 

 

きっとこの世の中にあるものは、ほとんどが複数のパーツが組み合わさってできているものばかりです。そして、その構造(仕組みや流れ)はある程度のパターンが存在していて、そのパターンを理解すれば、”どんな場所にも応用できますしより高いクオリティを求めることもできます”

 

このコツさえ掴むことができれば、ものの見方や捉え方は簡略化でき理解できないことも少なくなります。それでも理解に苦しむことがあるならば、それは自分の理解力が無いだけではなく構造的な欠陥があるからです。

 

そして、構造を理解してしまえば、次はその構造を支えるパーツを理解すればいいのです。どの部品にどのような特性があり良し悪しがあるのか?、それを突き詰めて考えていくことでそのパーツのクオリティを上げることや構造的により良いパーツを代替するという選択肢が出てきます。

 

そして、構造の理解が先か?パーツの理解が先か?という議論も、あくまでも『最高のモノを作るための構造の一部』」ということを理解すれば、自分がやりやすい方でいいという結論に至ると思うので、ここでは取り上げません。

 

さて、そろそろこの曲を紹介しましょうか。

 

youtu.be

[Dabo]
I REP MYSELF 気持ちはいつも快晴
晴れ渡る丘から歌うまるでリョーザ
またお宝奪うぜお嬢ちゃん
誰が勝者誰が敗者誰も決めれる訳などないさ
だが今ここに確かにある
俺という現象がただただラップ
あってないようなもんさ目的は
後付けで構わんね俺的には
ただただ止めどなくあふれるフロウ
これが俺の命の鼓動
そう清きも濁りもひけらかすオラ人間だもの
誰もがひとつだけ持つダイヤモンド
俺ならばラップほらうたれろ

[Hook]
I REP HIP HOP
これぞ我がライフ他になどない
I REP HIP HOP
手は離さない願い込めたマイク
I REP HIP HOP
結果やっぱ俺等変わらない

[Anarchy]
オレンジの街頭輪になる MY DOGGS
ナイフとフォーク味わう敗北
涙は内緒感じた愛も
隠せないほどあるノートに書こう
枕に描く世界地図女の胸じゃ癒えない傷
ディキーズコンバース路上のキャンバス
キックワンヴァース聞き逃すな
何も無い街貧乏暮らし
ラジカセ囲み B-BOY のマーチ
家に帰れば韻探す 15
丸めたリリックゴミ箱にシュート
恋に落ちてハチミツと林檎
LIFE IS HIP HOP ライムとビート
いつのまにかマイク持ってフロントライン
途中で立ち止まれば今日は無い

[Hook]
I REP HIP HOP
これぞ我がライフ他になどない
I REP HIP HOP
手は離さない願い込めたマイク
I REP HIP HOP
結果やっぱ俺等変わらない

[Kreva]
気がつけば
アイツもアイツもアイツもアイツも
アイツもアイツもいなくなって
アイツもアイツも見なくなって
こっちはいつもいっつもやってる
いつも流行ってるいつも変わんねぇ
スタイル崩さずまだ戦ってる
わかってるフリしてたいした事ない
奴らとしっかり相対してる
相当笑った事もあったが状況は悪化世界中
でもホンモノはやっぱ残るんだ
時間を越えてまるで文化遺産
YEAH 今だに進化中
またビートを打ってリリック書く
だってそうじゃなきゃ俺が俺じゃあない
お前もやんな OK それじゃーな

[Hook]
I REP HIP HOP
これぞ我がライフ他になどない
I REP HIP HOP
手は離さない願い込めたマイク
I REP HIP HOP
結果やっぱ俺等変わらない

 

この曲は、KREVA、ANARCHY、DABO、DJ HAZIME、BACHLOGICという日本のヒップホップシーンを代表する面々が集まった曲です。

 

ラップと音源、これさえあれば曲は作れる。

これが超基本的な構造の理解。

 

ラップと音源をどのように組み合わせるか?

この曲のテーマとは?

テーマに合ったラップとは?

これが基本的な構造の理解。

 

この曲のテーマは、

「I REP HIP HOP」

各々が自分自身の思いを綴ることによって

この曲は完成度の高い一曲に仕上がっています。

 

一人一人のスキルが高いだけではなく、その一人一人がテーマに沿ったラップをし

、BACHLOGICがそれを崩さずにMIXしたことにより、この曲はタイトル通りの日本のヒップホップを代表する珠玉の一曲になりました。

 

3人が自分のスタンスを崩さないようにしつつもテーマに沿ってラップをしているからこそ、3人の個性が前面にでているのが聴いていて楽しいです。

 

この3人の個性こそがパーツです。

KREVAは、KICK THE CAN CREW時代からソロになって今に至るまでに、実力を引っさげて日本のヒップホップシーンのオーバーグラウンド化を実現した名実ともに今の日本のヒップホップシーンの代表格の一人です。MCバトルやインディーズ時代の頃も文句無しだったけれども、そこからメジャーに移り武道館LIVEや新たな可能性を模索している中で、多くのリスナーからはポップ路線と揶揄されていますが、未だにKREVAのスキルは健在です。そんなKREVAだからこそ見てきた日本のヒップホップシーンがあり、感じてきたものもあります。それが凝縮されているKREVAのヴァースは他の客演作品よりも一味違ったものになっています。

ANARCHYは、京都の団地育ちで自身の生い立ちや境遇をラップした”FATE(2009年)”で一躍脚光を浴び、そこから今まで数多くの作品に客演しつつ自身の曲も確実なファンを獲得しています。ANARCHYは、今回のようなB.Lトラックにはほとんど参加したことがありません。そんな中でも自分なりのI REP HIP HOPを綴ったことによってこの曲でもKREVAやDABOとは違った空気感を醸し出しています。

DABOは、NITRO MICROPHONE UNDERGOUNDのメンバーの中でも抜きん出る実力の持ち主であり、さんピン世代からの客演も数多くあった中で”拍手喝采(2001年)"という日本のヒップホップの中でも指折りの名曲を生み出したり、今日に至るまでもオーバーもアンダーも関係なく活動し、メディア露出も積極的に行っています。漢とのBEEFをはじめ、様々な話題がありますがそれでも今の日本のヒップホップシーンを支えている一人です。そんなDABOだからこそのヴァースも今までが凝縮されています。

 

ああ、大切なことを忘れていました。

これらのパーツを理想の構造に組み立てるときに調和(つなぎ)が必要になります。これが無いとどんなに最高のパーツで最高のモノを組み立てようとしてもなかなか上手くいきません。モノを作るにあたっての共通のテーマといいますか、どのように調和を保つという部分も大切ですよね。で、この曲でいったら、「I REP HIP HOP」の部分になります。ここがブレていないからこの曲はまとまっています。

 

オマケでもう一曲紹介します。

こちらの曲の方が好きなので。

 

youtu.be

 

[般若]

ふとオレは思った
気が付いたら残った
何回も止めようとした
だけど 火が灯った
目ン玉ン中にウォッカ
おかわり頼もうか?
ぬる過ぎる音楽
殺しに来た コーザノストラ
楽しいかどうか
結局はそうじゃん
でも違えんだ 今日は
全て今SLOW DOWN
質よりも量だ
んなやり方 NOだ
整形に豊胸
その後ケア無え 只の悪徳業者
知りたいか?要は
調子がどうだ?
音楽がグローバル
ウソつけよ 死んだ方が
誰にすればいい?相談
今 僕は街で遭難
演じてるよ 鈍感
でも止めたよ そしてGOサイン
[HOOK]
言ってやるよ それはジレンマ
うなされてる夢に似てんだ
言ってくれよ オレは偽善者
だって未だにラップしてんじゃん
音楽で話してえんだ
心の奥で話してえんだ
何か違うんだ 愛してんだ
でもヤられた分は返したいんだ
俺も言ってやるよ これはジレンマ
マボロシのよう 煙の向こうなら
やってやるよ これは使命感
だって今だにホント少数派
音楽で 救われたんだ
伝わる分だけ祈りがあんだ
流行りじゃねぇが俺の財宝
何処のどいつが 誰でもてめぇの
[Maccho]
たかが俺一人ぐらいでも
言葉の兵隊の数は無限
立ち向かう 何度も立ち上がる
生身の等身大の声
七色のゴタクが
また尻軽な嘘ではがれる柔なメッキ
背を向けて立ち去る
紛れないホントのところそれじゃないぜ
金がらみの政治権力
後ろに誰? うさんくせぇな
音と言葉で殺す
手がかりは赤い月明かりの照らす影
切り裂いてでもひっぺがして
連れ去って物思いにふける
この悪夢から目を覚まさせる
揺るがないモノが強くもなる
別に手荒なわけじゃなく
突き通してきたやり方
そこに何かがあるか無いか
時はTICTAC刻まれてくまま
何処へ行く うごめく時代
それとは別の俺のけじめ
薄っぺらい言葉じゃ満たされねぇから
心に来る音楽を聴く
[HOOK]
言ってやるよ それはジレンマ
うなされてる夢に似てんだ
言ってくれよ オレは偽善者
だって未だにラップしてんじゃん
音楽で話してえんだ
心の奥で話してえんだ
何か違うんだ 愛してんだ
でもヤられた分は返したいんだ

俺も言ってやるよ これはジレンマ
マボロシのよう 煙の向こうなら
やってやるよ これは使命感
だって今だにホント少数派
音楽で 救われたんだ
伝わる分だけ祈りがあんだ
流行りじゃねぇが俺の財宝
何処のどいつが 誰でもてめぇの

一体 何処で聴いてる
答えによっちゃオレは死んでる
小節で正気取り戻して
また音と言葉でブチ殺して
でも 実際コレは生きてる
時代の方がきっとブレてる
心の声が聞こえてんなら
その目 耳 頭で感じろ ホラ
わかってるよ そんな時代だ
笑ってないヤツが理解者
黙ってらんないから
本音の言葉でアイツの喉 切り裂いた

裏側にあるものは愛だ
だからオレは希望を抱いた

 

般若は、妄走族からソロ活動を経て現在に至るまでに、さんピンの次世代の台頭を牽引してきた一人に間違いありません。過激なリリックや様々なDISが勃発しましたが、それでも尚ファンからの根強い人気があります。「男たちの大和」のような反戦や右寄りの曲から「心配するな」や「世界が終わるその前に」などのラブソングやポップで聴きやすい曲まで振り幅は大きく芯はブレないスタイルは多くのファンを魅了しています。そんな般若だからこそのジレンマをここでは綴っています。

 

Macchoは、さんピン以降も続いた東京一強かつイーストサイドヒップホップ主流時代から「AREA AREA」をリリースしたことによって地方およびウェストサイドヒップホップのムーブメントの火付け役の一端を担いました。そこからヒップホップ内のジャンルをまたいで現在も第一線で活躍しています。デビューアルバム「Rollin’045」から横浜をずっと愛してやまないその姿勢はリリックの随所にもみられます。KREVAとの長年のBEEFも有名ですね。

 

この二人だからこそのジレンマ

飾らない言葉と姿勢。

 

 

最後に

 

今回紹介した5人のラッパーの有名な曲を貼っておきますね。こんなバラバラな3人と2人から調和の取れた2曲を作れるっていうのは面白いですよね。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

 

youtu.be

 

youtu.be

 

youtu.be

 

夢を諦める勇気

久しぶりの更新!

いやー久しぶりすぎる。

 

本当はずっとフリースタイルについて書こうと思ったけれども、膨大すぎる量なので終わりが見えないのと時間が掛かるので、先に違う記事を書くことにしました。

 

さて、今回のテーマは、「夢」です。

 

皆さんには夢がありますか?

夢を持ったことはありますか?

きっと「はい」と答える人がほとんどではないでしょうか?大なり小なり夢を持ったことがある人はほとんどだと思います。

 

では、もう一つ聞きます。

皆さんは夢を諦めたことはありますか?

持っていた夢を諦めたことはありますか?

きっとこれも「はい」と答える人がほとんどだと思います。お金、時間、さまざまな問題や壁にぶつかって「夢を諦める」という選択肢を取ってきたと思います。

 

夢を諦めること自体は悪いとは思いませんし、僕だって幾多の夢を諦めても今を楽しく生きているので何も間違いだとは思いません。

 

ただ、このTARO SOULを聴くと自分の気持ち次第でいつだって夢は叶えられるんだと感じます。

youtu.be

 

高3の時に決めた受験

欲しかった訳じゃねえ学歴

先を見て明確な夢

持てなくなってただけ

 

抜粋した部分以外でも普通の人って感じが滲み出ていますよね。TARO SOULは神奈川県藤沢市出身で鎌倉高校卒業後に早稲田大学に進学。そして、そこでどんどんヒップホップに傾倒していくわけですが、本当にただただ普通の人生を歩んできた人ですよね。だからこそ、多くの人に言葉が刺さるんだと思います。

 

きっとTARO SOULと同じように人生を歩んでいる人は多いと思いますし、惰性で進んでいる今のレールからいつ外れるか?そこが違うだけだと思います。そして、そこが大きな違いなんだと思います。

 

この曲では、「夢を見られてる」と表現していることも特徴ですね。「夢を叶えてる」わけではなく、まだまだ夢を追いかけ続けている今があり、「こんな俺でも今を愛せてる」というフレーズで、「こんな俺でも頑張ってるからお前も頑張れよ。」って背中を後押しされているような感じがします。

 

そんなTARO SOULが客演で参加しているこの曲では、

youtu.be

 

久々にかつての仲間にばったり

立派に就職 今じゃ二児のDaddy

活き活きとした表情に I feel something

俺の「これしかねえ」 半信半疑

ずっと夢を見て しちゃってた安心

後ろ姿 遠く霞む 女神

Let me see your smile

恋敵多過ぎるらしい

求めてたFree 飛び込んだLife

引きちぎったchain

だったはずが足元絡まったまま

一歩一歩も覚束ない頭過るのは「もしも」ばかり

変えるんだ接続詞 「やはり」

もはや諦め方すら No idea
Daydream believer oh yeah

 

掴めない夢を見ているだけの自分に安心してしまっている自分に気づき、周りの同年代の仲間たちは家族を持ち幸せな毎日を送っている。それでもここまで来たんだから、これからも頑張っていくという意思表示のようなバース。

 

夢を諦めずに続けているからこそ、

夢を諦められないという状況。

 

少し話は逸れますが、

「アンコールpt4 Remix/観音クリエイション」の楽団ひとりのバースで、

 

”何か一つ諦めないことは他のすべてを諦めること”

 

という言葉があります。

 

まさにその通りだなと。

夢を諦めるも諦めないも自由。

何を諦めて何を残すか?

 

ここが難しい。

安定を取るか。夢を取るか。

お金を取るか。自由を取るか。

何を大切にするか?

 

考えてしまいます。 

①サンプリングの妙②実体験だけがヒップホップではない

ヒップホップのみならず、音楽文化の中で原曲を少しアレンジしてリメイクするという手法「サンプリング」があります。

 

今回紹介する「ECDのロンリーガールfeat.K DUB SHINE」もそんな手法を活かして作られた曲です。

 

合わせて4つの曲を紹介します!

 

Marvin Gaye「Sexual Haeling」

佐東由梨「ロンリーガール」

ECDECDのロンリーガール」←コレ

加藤ミリヤ「ディア ロンリーガール」

 

このように、サンプルをサンプルしたことで同じメロディーラインから4つの名曲が生まれました。

 

Marvin Gaye「Sexual Haeling」

 

この曲は、Marvin Gayeが亡くなる一年前にリリースされた曲です。タイトル通りの大人の官能的な歌詞がMarvin Gayeの魅力を前面に出していますね。そして、このトラックもたまらなくいい。8beatsの心地良いループがムードを醸し出していますね。音楽好きなら誰もが知っているMarvin Gayeなので、あまり余計なことは言わないでおきます。

 

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佐東由梨「ロンリーガール」

 

佐東由梨というアイドルを皆さんは知っていますか?

 

僕はこのECDのロンリーガールを初めて知った時に佐東由梨のロンリーガールも知りました。82年にデビューして、シングル4枚を出した後に引退。という短いアイドル歴でしたが、実力は折り紙つき。時代が追いつかなかっただけですね。

佐東由梨さんについてはこちらをどうぞ↓

http://blogs.yahoo.co.jp/cherrycreekjp/1566026.html

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この曲は、郷ひろみ中島みゆきなどの曲を手がけた筒美京平の作曲と松田聖子吉田拓郎の曲を手がけた松本隆の最強のタッグです。作曲といってもサンプリングしただけですが、そのサンプリングも当時のアイドル全盛期のポップで軽いアレンジが効いています。当時は、この曲がヒップホップに生まれ変わるなんて誰も想像していなかったことだと思います。綺麗な声ですね。

 

サビの部分と“その時代に合ったロンリーガール”が以降に歌い継がれており、佐東由梨が歌ったロンリーガール像は、ボーイッシュでオシャレにも疎いけれども、乙女心も持ち合わせている、可愛げがある少女でした。

 

ECDECDのロンリーガール」

 

少女たちの闇を描写したK DUB SHINEのヴァースを聞いてほしいです。

ベストワークと言っても過言ではないです。

1990年代とは思えないスキルフルなリリック。

この時代っていうものは、日本の急成長に、人の心がついていけなくなったツケがすべて回ってきた、心の闇が出てきた時代ですよね。それを反映したリリックは幸か不幸かこの時代の音楽史上の中でも類を見ないほどの最高傑作になりました。以前に、ヒップホップというものはリアル(現実)を投影することが大切である上に本質である(映画『STRAIGHT OUTTA COMPTON』観に行きました。 - 404 Not Found)ということを伝えましたが、実体験(日本の教育とヒップホップ - 404 Not Found)ではなく、自分の目で見た90年代当時の少女の深い闇を忠実に描くことにより、当時のリアル(現実)をリリックに落とし込んでいます。間奏の時に、当時の少女達の名前を羅列することによって、その当時の時代を感じ取れます。

 

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焼けてる肌 茶色い髪 

カラーコンタクトで見つめる闇 

夜の街 求める価値

女王蜂 理想の形 

二十歳前なのにもう大人 

細え眉してひでぇ言葉

自らビジネスにするセックス

迷える子羊達エックス

ロレックスした男に指輪

買わしたはずがつながれる首輪

携帯かける サンダルシャネル 

つま先のネイルに塗るエナメル

フェンディ ベルサーチ D.K.N.Y 

物欲と金の前にへつらい

そして気軽に足開く 

それ喜ぶヤツ恥知らず

彼女達の孤独 もろく 幸福の条件 

後ろの正面きれいな足形 胸

派手な爪 少女の夢 消息不明

 

頭の中で再現できてしまいますね!

 

この曲が描いたロンリーガール像は、夜の街の深い闇に溺れていく中で、戻りたくても戻れない少女です。当時の社会背景を忠実に反映しています。

 

これこそが以前の記事でも書きましたが(ストーリーテラーってなんだ? - 404 Not Found)、ストーリーテラーの腕の見せどころですね。実体験ではないですが、これもリアル(現実)ですよね?

 

ECDの曲ですが、K DUB SHINEの部分ばかりが取り上げられてしまいがちです...。今回もそうですしね(笑)

 
加藤ミリヤ「ディア ロンリーガール」

 

この曲は「ECDのロンリーガール」のアンサーソングとして発表され、当時の少女達の名前の羅列もきっちりと入っています。また曲調もこの当時の流行りに合わせてポップな仕上がりになっています。

 

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子供みたく扱わないで

経験が生む確かな自分創る

容易く分析なんかしないで

わかったような顔でこっちを見ないで

メール携帯絶対手離せない

学校行きたくない 家に居たくない

押し付けないで古い考え

ここからうちらの時代

 この曲はよく聞くと曲中に矛盾点がいくつも生じていますが、とりあえずここでは触れないようにします。この曲が描いたロンリーガール像は、加藤ミリヤゆとり教育全盛期の教育を受けてきたためか、大人への反発まではいきませんが不信感というものを表し、同世代を大切にしたい少女です。音楽って世代共通の要素ってありますね(日本の教育とヒップホップ - 404 Not Found)。

 

さてさて、いかがでしたか?

もしも身近に似ている曲があれば、それはサンプリングされているのかもしれませんよ。読んでいただきありがとうございました。

映画『STRAIGHT OUTTA COMPTON』ヒップホップ映画の良作

スターウォーズ エピソードⅦ』の陰でもう一つの傑作が公開されました。

 

実は、僕はこの映画の日本公開希望の署名にも参加しました。それだけの価値があったと自信を持って言える作品であったと同時に、老若男女を問わず是非とも映画館に足を運んでいただきたいと思いまして、今日は映画『STRAIGHT OUTTA COMPTON(邦題:ストレイト・アウタ・コンプトン)』を観た感想について書きたいと思います。

 

※これはネタバレではありません。

予告編やネットでググれば分かる程度のネタバレはありますが...。

 

この映画は、ギャングスタラップを確立させて社会現象を巻き起こしたN.W.Aというヒップホップグループの伝記映画という位置付けになっています。彼らの結成から別れまでをテンポよく要所要所をきちんとおさえている点で、今までのEminemの8mileなどのヒップホップアーティストの自伝映画よりも濃く深い内容になっていました。

 

しかしながら、ギャングやドラッグの過激な内容の詞、『Fuck The Police』などの政府や警察への権力に対する反発、などなどN.W.Aのそのままを切り取ったためにこの映画の過激さを危惧したこと、日本ではヒップホップがアメリカほど定着していないこと、これまでのヒップホップアーティストの伝記映画が日本ではヒットしなかったこと、これらのせいで日本では当初は日本の公開予定は全くありませんでした。しかし、この映画はそれらの問題を微塵も感じさせないほどの感動ありの傑作になっていました。

 

N.W.Aとは?

 

Niggaz With Attitude『態度のデカい、ゴロツキの、極悪の、黒人たち』の略であり、当初は5人のメンバーでした。

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ロサンゼルスのコンプトンという平均寿命38歳といわれていた街で育った彼らのありのままが描かれています。カリスマ性のあったEAZY-E、若くして天才的な作詞家であったICE CUBE、後にWEST COASTを代表するDr.DRE、この映画はそんな彼らの人生の中での「N.W.A」という一部分を切り取ってくれただけです。その切り取ってくれただけが大ヒットした要因なんです。

 

この映画は嘘偽りの無い真実の物語です。

警察への不満を募らせた『Fuck The Police』やギャングスタラップを確立したEAZY-E名義の『Boyz'N' The Hood』などの名曲をはじめ、後半ではDREの育て上げた大物アーティストも出てくるという豪華な仕上がりです。

 

ヒップホップを聞かない人やヒップホップに嫌悪感を抱いている人にこそ観てほしいです。

 

なぜ、ギャングスタラップが生まれたのか?

ヒップホップとは?

若き5人を翻弄する様々な問題

これらが複雑かつ忠実に描かれています。

 

この映画から学んだこと

 
僕がこの映画から学んだことは、ただ一つだけです。
 
それは、
『ヒップホップ=日常』
ということです。
 
彼らはギャングスタラップ(ギャングやドラッグなどを推奨したりラップすること)を確立したくて、ラップしたわけではありません。
 
彼らの日常を切り取ってラップした結果が、ギャングスタラップだったというわけです。
 
 
日本のヒップホップシーンでも、技術的にも低く全くカッコよくないラップ(僕は本当にそういうラップ嫌いなんですが...笑)でも、リスナーは「これこそヒップホップだ。」ということが多々あります。それはきっと、「日常のありのままを等身大を綴っているからなんだ。」と今なら理解できます。
 
日本のヒップホップがダサいと言われた理由も自分が嫌いなアーティストがいる理由も何となく言語化できました。現実(リアル)を綴っているかどうかがヒップホップの分かれ目であるのではないかと思います。
 
しかし、それは自叙伝をラップしろということではありません
あくまでも自分が感じ取ったことをラップすることが大切なのです。
 
ICE CUBEもEAZY-Eもコンプトンで生まれ育ったからこそ、そこの日常で感じ取ったことをラップしたからギャングスタラップが生まれただけです。これが他の地域で生まれ育ったならギャングスタラップは生まれませんでした。
 
「ヒップホップ=土着文化」というのは僕の持論ですが、これはこの映画でも証明されたような気がしました。
 
その土地にはその土地のラップが生まれる。
 

日本のヒップホップの今後

 

「ヒップホップ=土着文化」であるということが十分に分かった上で、今後の日本のヒップホップシーンの更なる発展のために必要なものは「自分たちの日常を忠実に切り取ること」これに尽きると思いました。
 
僕はZEEBRAが好きですが、「Neva Enuff」や「城南ハスラー」などのハードコア(ギャングスタと似たような傾向、不良文化を綴ったり暴力賛美に近いような表現などもある)路線はZEEBRAのありのままではないような気がしてずっと嫌いでした。慶応幼稚舎から高等部中途退学の経歴の人間に銃とかの話をされても現実(リアル)と乖離しているようで受け入れがたいものがありました。それよりも「Slow Down」や「運命」などの自身がラッパーになるまでとラッパー生活を綴ったほうが個人的には聞いてて違和感なく受け入れることができました。
 
日本のギャングスタラップは、GANXTA D.X(現GDX)や漢にANARCHYによって、日本の日常に存在するものを切り取ったラップというものを崩さずに確立させることに成功してきました。
 
ギャングスタラップも含めて、日本人らしいラップを追求していくことが今後のカギなのではないでしょうか?
 
本場アメリカを追い越そうとするのではなく、現実(リアル)を伝えるという本質を見失わず自分たちの感じたことを伝えていくことが大切ですね。
 

最後に

この映画を全ての人にオススメします。
 
このブログは日本語ラップ好きを広めたいというのがコンセプトにあるので、どうしてもヒップホップに寄りがちですが、この映画は『当時の社会問題への提起と人間臭いドラマが、ヒップホップというものを通じて描かれている』とまとめることもできます。
 
全てがリアル。
全てが感動。
あっという間の2時間半。
I'm straight outta LOCOHAMA.
 

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